理学療法士トレーナーのタツです。
「かかとが痛い」と訴える小中学生のアスリート。
特にサッカーやバスケットボールなど、ジャンプやダッシュを繰り返す競技に多いのが「シーバー病(踵骨骨端症)」です。
成長期特有の骨の変化が関係しており、放置すると長期間スポーツに支障が出る可能性も。
この記事では、理学療法士の視点からシーバー病の症状・原因・治し方・再発予防のリハビリ方法までわかりやすく解説します。
お子さんの「かかとの痛み」が長引いている方は必見です。
シーバー病とは?
● シーバー病(踵骨骨端症)とは?
シーバー病とは、成長期の子どもの踵(かかと)に発生する痛みを伴う障害で、正式には「踵骨骨端症」と呼ばれます。
骨端症とは、成長軟骨がある骨の端(骨端)に炎症や障害が起こる状態を指します。
特に8〜13歳の男子に多く発生しやすく、運動量が多い子どもに起こることが一般的です。
シーバー病の症状
- 運動時やジャンプの着地時にかかとの後ろが痛む
- かかとを押すと強い圧痛がある
- 歩くときに足を引きずる、つま先歩きになる
- 痛みは片側・両側どちらにも発生することがある
- 安静時には痛みが軽減する
シーバー病の原因
シーバー病の主な原因は以下の3つです:
1. 成長期における骨の未完成状態
かかとの骨(踵骨)は成長期に完全に形成されておらず、軟骨が多く脆弱な状態。
運動による負荷が過剰にかかると炎症が起こりやすくなります。
2. アキレス腱からの牽引力
アキレス腱はふくらはぎの筋肉とつながり、踵骨に付着しています。
運動でふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)が硬くなると、踵に強い牽引力が加わり、炎症を引き起こします。
3. 過度な運動負荷
- 週に5日以上の運動
- 硬いグラウンドでの練習
- クッション性の低いシューズ
などが重なると、踵に繰り返しの微細外傷が生じ、炎症へとつながります。
シーバー病の対処法
● 1. 運動の一時中止・制限
まずは運動の中止または制限が最も重要です。
完全に痛みが取れるまではジャンプや走る動作を避けましょう。
● 2. アイスマッサージ(冷却)
運動後にかかとを10〜15分冷却することで炎症を抑え、痛みを軽減できます。
● 3. 適切なシューズ選び・インソール使用
- クッション性の高い運動靴を選ぶ
- 衝撃吸収素材のインソールを使う
ことで、踵への負担を減らします。
シーバー病の自宅でできるリハビリ・予防エクササイズ
● 1. ふくらはぎのストレッチ(アキレス腱の牽引軽減)
【方法】
壁に手をつき、片足を前に出す。
後ろ足の踵を床につけたまま前方に体重をかけて20秒キープ。
左右2回ずつ。
● 2. 足裏マッサージ(筋膜の柔軟性向上)
ゴルフボールやテニスボールを床に置いて足裏で転がす。
左右各1〜2分。
● 3. タオルギャザー(足底筋群の強化)
椅子に座って床にタオルを敷き、足の指でたぐり寄せる動作を左右10回ずつ行う。
● 4. 踵上げ(ヒラメ筋と腓腹筋の安定化)
壁に手をついてつま先立ちを10回×2セット。
痛みがなければ段階的に負荷を増やしていく。
シーバー病の競技復帰の目安と注意点
- 痛みが完全に消失し、日常生活で問題がない状態まで回復してから運動再開が基本
- 最初は軽いランニングや体幹トレーニングから始める
- ジャンプやダッシュは最終段階で取り入れる
痛みが出た場合はすぐに中止し、理学療法士や整形外科医に相談を。
まとめ:シーバー病の症状と対処方法
シーバー病は、成長期に多く見られるスポーツ障害であり、放置すると長引いたり、競技力低下につながることもあります。
しかし、適切な対処とリハビリで予後は良好です。
成長期の身体は柔軟で回復力が高いため、「痛みを我慢して運動を続ける」より「早期発見・早期休養」が重要です。
もしお子さんが「かかとが痛い」と訴えているなら、すぐに専門機関に相談し、再発を防ぐリハビリと予防策を取り入れましょう。
◎ストレッチなど以外にも、電気や超音波を当てることで痛みの軽減や炎症抑制をサポートすることができます。
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