理学療法士トレーナーのshibatatsuです!
「腰が痛いけど、腰を揉んでも良くならない…」
その腰痛、実は“股関節の柔軟性不足”が原因かもしれません。
腰そのものに原因がない「関連痛」の場合、股関節の硬さが腰に過剰な負担をかけていることが多いのです。
本記事では理学療法士の視点から、股関節と腰痛の関係、チェック方法、効果的なストレッチ方法を分かりやすく解説します。
腰痛と股関節の意外な関係
股関節が硬いと、なぜ腰痛になるのか?
股関節は、骨盤を支える非常に大きな関節であり、歩行や座る・立つなど、日常生活のほぼすべての動作に関与しています。
股関節の可動域が狭くなると、本来股関節が担うべき動作を、代わりに腰椎(腰の骨)が代償することになり、腰に過剰な負担がかかります。
代表的な代償動作の例
- 前屈時に股関節ではなく腰が丸まってしまう
- 階段の上り下りで腰を反ってしまう
- 長時間の座位で骨盤が後傾し、腰が常に引っ張られている状態になる
こうした状態が続くと、慢性的な腰痛やぎっくり腰のリスクが高まるのです。
股関節の柔軟性をチェックしてみよう
①仰向けで膝を抱えるテスト
- 両膝を胸に近づけるように抱えてみましょう
- 腰が浮いたり、膝が胸まで寄らない場合は、股関節の屈曲可動域が制限されている可能性があります
②開脚角度チェック
- 座って開脚し、脚がどのくらい広がるか確認します
- 角度が90度未満であれば、内転筋やハムストリングスの硬さが考えられます
股関節を柔らかくするメリットとは?
- 腰椎への負担を軽減し、腰痛の根本的な改善が期待できる
- 骨盤の前後傾が整い、姿勢が良くなる
- 歩行や階段動作がスムーズになり、日常生活の疲労感が減少する
また、股関節の柔軟性は運動パフォーマンスの向上やケガ予防にも直結するため、アスリートにも非常に重要です。
理学療法士が推奨するストレッチ3選
①ハムストリングスストレッチ(太もも裏)
- 方法:仰向けで片脚を上げ、タオルなどを足裏に引っ掛けてゆっくり伸ばす
- ポイント:膝を完全に伸ばすよりも、股関節を意識して引き寄せることが重要
②腸腰筋ストレッチ(股関節前部)
- 方法:片膝立ちの姿勢から、前方に重心を移動し股関節前を伸ばす
- ポイント:腰を反らず、骨盤を後傾気味にして伸ばすのが効果的
③内転筋ストレッチ(股関節内側)
- 方法:座って足裏同士を合わせ、膝を床に近づけるようにゆっくり押す
- ポイント:背中を丸めないように注意し、股関節から動かす意識を持つ
柔軟性改善における注意点
ストレッチは“毎日少しずつ”が基本
筋肉は急には柔らかくなりません。
最低でも1回30秒を3セット、1日10分、週5回以上の継続が必要です。
風呂上がりなど体が温まっているタイミングが効果的です。
痛みがあるときは無理をしない
炎症や急性の痛みがある場合はストレッチを控え、まずは安静とアイシング、理学療法士など専門家の評価を受けましょう。
まとめ:腰痛対策の第一歩は股関節から!
腰痛=腰が悪い、という常識はもう古いかもしれません。
実際には、股関節の硬さが腰痛を引き起こしているケースは非常に多く、柔軟性を改善することで、症状が劇的に軽減することもあります。
腰を治すために腰を揉むのではなく、動きの連鎖の起点である“股関節”に着目することが根本改善のカギです。
ぜひ今日から、簡単なストレッチを取り入れて、柔らかく動ける身体を手に入れて下さい。
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