理学療法士トレーナーのshibatatsuです。
運動は健康に良い。
そう信じて日々トレーニングに励むアスリートにとって、盲点となりやすいのが「身体の酸化」です。
激しい運動をすればするほど、体内では酸化ストレスが蓄積し、筋疲労や回復遅延、さらには慢性疲労や怪我のリスクまで高まります。
この記事では、スポーツ選手の身体に起こる酸化のメカニズムと、それによる影響、そして科学的に根拠のある対策方法を解説します。
今日から実践できる食事・生活習慣の見直しで、疲れにくく、ケガをしにくい身体づくりを目指しましょう!
そもそも「身体の酸化」とは?
身体の中で酸素を使ってエネルギーを作る際、副産物として活性酸素が発生します。
これが過剰になると、細胞を傷つけてしまうのが「酸化」です。
酸化のメカニズム
プロセス | 内容 |
---|---|
酸素を使った代謝 | 運動時に大量の酸素を使用し、エネルギーを産生 |
活性酸素の発生 | 代謝の副産物として活性酸素(フリーラジカル)が増加 |
酸化ストレスの蓄積 | 活性酸素が細胞膜やDNA、筋組織を攻撃 |
結果:組織の損傷・疲労促進 | 炎症、筋肉の回復遅延、免疫力低下、老化の加速などが発生 |
通常であれば、体内の抗酸化酵素(SODやカタラーゼ)が活性酸素を処理しますが、ハードなトレーニングを続けることで処理能力を超える活性酸素が生成され、酸化ダメージが蓄積します。
スポーツ選手にとっての酸化のリスク
パフォーマンス低下の要因
酸化は目に見えませんが、実際には以下のような形でパフォーマンスに影響を与えています。
影響領域 | 内容 |
---|---|
筋肉の損傷 | 筋線維が酸化によってダメージを受け、回復が遅れる |
疲労感の増加 | 炎症物質の増加により、倦怠感や集中力の低下を招く |
免疫力の低下 | 酸化によって免疫細胞の機能が落ち、感染リスクが増加 |
怪我のリスク増加 | 筋肉の柔軟性や反応速度が落ちることで怪我の可能性が上がる |
酸化ストレスを測る科学的データ
スポーツと酸化ストレスの関係を示す研究例
- Marzaticoらの研究(1997年)では、激しい運動後に血中の活性酸素レベルが3倍に増加することが確認された。
- Gomez-Cabreraら(2008年)は、有酸素運動後の酸化ストレスと筋疲労の関連性を示している。
酸化を防ぐには?アスリートがとるべき3つの対策
1. 抗酸化物質を多く含む食品を摂取する
日々の食事から抗酸化成分を摂取することが、最もシンプルかつ強力な対策です。
抗酸化物質の種類 | 含まれる食品例 |
---|---|
ビタミンC | ブロッコリー、キウイ、赤ピーマン、柑橘類など |
ビタミンE | アーモンド、ひまわり油、アボカド、サーモンなど |
ポリフェノール | 緑茶、カカオ、赤ワイン、ブルーベリーなど |
カロテノイド | にんじん、かぼちゃ、トマト、パプリカなど |
α-リポ酸 | ほうれん草、ブロッコリー、内臓肉(レバーなど) |
2. 睡眠と休息の質を高める
睡眠中に体内の修復機能が働き、酸化ダメージの修復が進みます。
- 1日7〜9時間の質の高い睡眠を確保
- 就寝1時間前はスマホやブルーライトを避ける
- 起床と就寝時間を固定する(リズムを安定させる)
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3. オーバートレーニングを避け、回復を重視
週単位のスケジューリングで高強度と休息のバランスを取りましょう。
トレーニング要素 | 推奨内容 |
---|---|
強度 | VO2maxや乳酸閾値を超えるような練習は週2回以内に抑える |
回復 | アクティブレストやストレッチ、低負荷有酸素運動などを活用 |
サプリメント | 必要に応じて、ビタミンC・Eやグルタチオンなどの摂取を検討 |
酸化対策におすすめの食事例(1日分)
食事 | 内容例 |
---|---|
朝食 | オートミール+ブルーベリー+アーモンド+緑茶 |
昼食 | 鮭の塩焼き+ブロッコリー+玄米+味噌汁 |
トレーニング後 | プロテイン+バナナ+オレンジジュース(ビタミンC補給) |
夕食 | 鶏むね肉のグリル+にんじん・かぼちゃのソテー+わかめスープ |
まとめ:酸化を制する者が、パフォーマンスを制す!
スポーツにおけるパフォーマンスと回復力を高めるためには、「身体の酸化」に対する知識と対策が不可欠です。
ポイントまとめ
項目 | 要点 |
---|---|
酸化とは? | 活性酸素により細胞が損傷する現象。運動量が多いほど発生しやすい |
リスク | 筋疲労、免疫力低下、回復遅延、パフォーマンス低下 |
主な対策 | 抗酸化食品の摂取、良質な睡眠、トレーニングの強度調整 |
すぐ始めるなら | 食事を見直し、ブルーベリー・緑茶・ビタミンEなどを積極的に取り入れること |
酸化を抑えることで、より強く、より速く、より疲れにくい身体を作ることができます。
ハードな練習の「質と量」を最大限に引き出すためにも、“見えないダメージ”へのケアを意識していきましょう!
スポーツ選手は普段から、身体のセルフケアをすることが重要です。
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