理学療法士トレーナーのタツです。
2009年〜理学療法士(整形外科分野)、2012年〜理学療法士&パーソナルトレーナーをしています。
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はじめに
「肩甲骨の内側が痛い」、「腕が痺れる」、「朝起きると首が動かない」……そんな症状に心当たりはありませんか?
これらは単なる「肩こり」ではなく、頚椎由来の神経圧迫や筋膜の異常によって起こる可能性があり、放置すると慢性化や機能障害を引き起こすことも。
本記事では、理学療法士の視点から、首や肩甲骨の痛み・腕や手の痺れの原因、治療法、具体的なリハビリ方法を、科学的根拠に基づいて解説します。
首や肩甲骨の痛み・上肢の痺れの主な原因
1. 頚椎症(けいついしょう)
加齢や姿勢不良により、頚椎の変形や椎間板の変性が起きると、脊髄や神経根が圧迫されて痛みや痺れを引き起こします。
代表的な疾患:頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
- 症状:片側の首・肩甲骨の痛み、上肢の放散痛・痺れ
- 重症化すると筋力低下や巧緻動作障害も
参考:
日本整形外科学会|頚椎症
厚生労働省 e-ヘルスネット|神経根症
2. ストレートネック・猫背姿勢
長時間のスマホ・PC操作により、頚椎の生理的な湾曲が失われ、筋・筋膜の緊張と炎症が起こることで、痛みや痺れを誘発します。
- 特に肩甲挙筋・菱形筋・僧帽筋に負担が集中
- 頚部の筋緊張は交感神経の過活動も引き起こす
3. 胸郭出口症候群(TOS)
首から腕にかけての神経や血管が、斜角筋・鎖骨・小胸筋などにより圧迫される状態。
- 腕を上げると痺れや脱力が悪化する
- 女性やなで肩の人に多い
4. 筋膜性疼痛症候群(MPS)
筋膜に存在するトリガーポイントが、首や肩甲骨の広範囲な痛み・関連痛・痺れを引き起こすことがあります。
首や肩甲骨の痛み・上肢の痺れの医療機関での診断・治療法
- 整形外科的評価(画像診断):レントゲン、MRI、神経伝導検査など
- 保存療法:内服薬(NSAIDs、筋弛緩薬)、ブロック注射、物理療法
- 理学療法(リハビリ):頚部〜上肢のモビライゼーション、筋膜リリース
- 手術(重度):椎間板摘出術、神経除圧術などが行われる場合も
自宅でできる!首や肩甲骨の痛み・上肢の痺れのセルフケア&リハビリ
1. 頚部のモビリティエクササイズ(朝・夜2回)
1. 顎を軽く引いて胸を張った姿勢で座る
2. 首をゆっくり左右に倒す(20秒×3回)
3. 次に上下を向く(無理はしない)
4. 最後に首を回す
👉 頚椎の関節を動かすことで、神経根周囲の血流改善を図ります。
2. 肩甲骨周りのアクティブストレッチ
- チューブローイング(菱形筋活性)
- 壁に手をついての肩甲骨内転
- スキャプラ・セッティング(肩甲骨の安定化)
👉 肩甲骨周囲の筋活動を高めることで、姿勢改善・痛みの軽減が可能です。
3. デスクワーク対策|姿勢の3原則
原則 | ポイント |
---|---|
顎を引く | 頭部の位置を正中線に戻す |
肩を軽く後方へ引く | 僧帽筋の過緊張を防ぐ |
骨盤を立てる | 骨盤の後傾を防ぎ、首の負担を軽減 |
まとめ|首・肩甲骨の痛みと上肢の痺れは原因ごとの対処が重要!
✅ 原因は「頚椎の障害」「神経圧迫」「姿勢不良」など様々
✅ リハビリでは、神経の圧迫を和らげる姿勢と動作改善が最重要
✅ 症状が強い場合は、必ず整形外科で画像診断を受けること
📝 今日からできるセルフ対策まとめ
- 姿勢の見直し(ストレートネック改善)
- 肩甲骨のストレッチとエクササイズ(1日5分から)
- 長時間のスマホやPC作業は、30分ごとに休憩を取る
- 痛みが強い場合やしびれが悪化する場合は早期受診を!
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