偏頭痛(片頭痛)の原因別対処法と予防方法|正しい知識とセルフケア【理学療法士監修】

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偏頭痛(片頭痛)の原因別対処法と予防方法|正しい知識とセルフケア【理学療法士監修】

理学療法士トレーナーのタツです。

「こめかみのズキズキが続いて仕事に集中できない」


「天気が悪くなると頭が痛くなる…」


こうした症状に悩む人の多くが「偏頭痛(片頭痛)」を抱えています。


頭痛薬でその場しのぎをするのではなく、原因に合った対処と予防法を取り入れることで、痛みの頻度や強さを根本から改善することが可能です。

本記事では、理学療法士の視点から、偏頭痛の原因別の対処法と予防法を科学的に解説します。


偏頭痛(片頭痛)とは?

偏頭痛とは、片側または両側のこめかみ付近にズキズキとした拍動性の痛みが数時間〜3日程度続く頭痛の一種で、以下の特徴があります:

  • 中等度〜重度の痛み(歩行や家事が困難になることも)
  • 吐き気、嘔吐、光や音に敏感になる
  • 前兆(視覚障害やしびれなど)を伴うケースもある

発症率は日本人の約8%(特に女性に多い)とされ、日常生活への支障が大きい疾患です。


偏頭痛の主な原因とその仕組み

偏頭痛の原因は一つではなく、以下のように複数の要因が複雑に関与します。

原因タイプ詳細説明痛みのメカニズム
血管の拡張セロトニン分泌の変動により脳の血管が拡張拡張した血管が神経を刺激し痛みが生じる
自律神経の乱れストレス・不規則な生活による交感神経の過活動血管収縮・拡張の急変で頭痛が発生
筋緊張首や肩の筋肉の緊張による神経圧迫緊張型頭痛との混合型になるケースも
ホルモン変動特に女性における生理前後のエストロゲン低下血管反応性の変化が偏頭痛を誘発
天気・気圧気圧の低下による自律神経の不安定化血流変化が頭痛の引き金となる

原因別:偏頭痛の対処法とセルフケア

① 血管の拡張による片頭痛

対処法

  • 静かな暗い部屋で横になる(刺激遮断)
  • 冷やしたタオルをこめかみに当てる(血管収縮を促す)
  • カフェインを少量摂取(収縮効果が期待できる)

NG行動:入浴や運動など「血管拡張」を促す行動は避ける


② 自律神経の乱れによる偏頭痛

対処法

  • 腹式呼吸・瞑想で副交感神経を優位にする
  • 就寝時間・起床時間を一定に保つ
  • 寝る前のスマホ・カフェイン摂取を控える

理学療法士のアドバイス
胸郭を緩めるリラクセーションエクササイズや、脳幹部を安定させる深部筋トレーニング(例:首周りの軽いインナーマッスルトレ)が効果的です。


③ 筋肉の緊張による混合型偏頭痛

対処法

  • ホットタオルなどで首・肩まわりを温める
  • ストレッチや軽いマッサージで筋緊張を緩和
  • 長時間のデスクワーク中に姿勢をリセットする

おすすめストレッチ

動作やり方
肩甲挙筋ストレッチ頭を右に倒し、右手で軽く圧を加える(30秒)×左右
胸鎖乳突筋リリース顎を反対側に向け上に軽く引き上げる(20秒)

偏頭痛の予防に効果的な習慣と栄養

食生活の見直し

推奨食品理由
マグネシウムを多く含む食品(ナッツ、海藻、玄米)血管の収縮を安定化させる
ビタミンB2(レバー、卵)偏頭痛予防に有効との研究あり
水分脱水による血流変化を防ぐ

控えるべき食品

  • チーズ、赤ワイン、加工肉(チラミンが血管を刺激)
  • チョコレート、ナッツ類(人によっては誘因に)

睡眠と生活リズムの最適化

  • 休日も平日と同じ時間に起床する
  • 寝溜め・過眠はかえって偏頭痛を誘発しやすい
  • 起床後に日光を浴びて体内時計をリセットする

偏頭痛の医療機関での治療の選択肢

偏頭痛の頻度や重症度が高い場合は、早めの医師受診が推奨されます。

治療内容対応症状
トリプタン製剤発作時の強い頭痛を速やかに抑える
予防薬(βブロッカー、抗うつ薬、抗てんかん薬)頻繁な発作を減らす
CGRP関連薬(新型の注射)慢性偏頭痛の長期コントロールに有効

まとめ:偏頭痛(片頭痛)の原因と対処法

  • 偏頭痛(片頭痛)は血管の変動・自律神経・筋緊張・ホルモン変動など多因子性
  • 対処には原因に合ったセルフケアと生活改善が必要
  • 根本予防には、食事・睡眠・運動の質の見直しが重要
  • 我慢せず、症状が強い場合は専門医に相談を

理学療法士としては、筋緊張のコントロールや呼吸法、自律神経調整に関する運動療法の導入が、薬に頼らない偏頭痛改善の一助となると考えています。


慢性化を防ぐには、今日から生活を少しずつ見直すことが第一歩です。

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