理学療法士トレーナーのタツです。
2009年〜理学療法士(整形外科分野)、2012年〜理学療法士&パーソナルトレーナーをしています。
詳しくはこちらから👉自己紹介
はじめに
腰椎椎間板ヘルニアは、突然の腰痛や坐骨神経痛を引き起こす疾患です。
しかし、正しい知識と適切なリハビリを行えば、多くの場合は手術せずに改善できます。(個人差あり)
僕自身も20代前半に腰椎椎間板ヘルニアになりましたが、現在は痛みもありません。
ただ、右足の小趾側に多少痺れが残っていますが、気にしなければ感じない程度です。
この記事では、理学療法士の視点から、ヘルニアの原因、治療法、そして自宅で実践できるリハビリ方法までを詳しく解説します。
腰椎椎間板ヘルニアとは?
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板の中心にある「髄核」が外に飛び出し、近くの神経根を圧迫することで、痛みやしびれを引き起こす状態です。
主にL4/L5、L5/S1の部位で多く見られます。(※Lは腰椎のこと)
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状:
- 腰痛(特に前かがみで悪化)
- 下肢の痛み(坐骨神経痛)
- しびれや感覚障害
- 筋力低下(重度になると足が上がらないことも)
原因:なぜ椎間板ヘルニアは起こるのか?
腰椎椎間板ヘルニアの原因は、以下のような複数の要因が複雑に絡み合っています。
1. 椎間板への繰り返しのストレス
長時間の座位や前かがみ動作、重い物の持ち上げなどにより、椎間板に圧力がかかり、徐々に亀裂が入りやすくなります。
2. 加齢変化
年齢とともに椎間板の水分量が減少し、弾力性が低下。
結果として髄核が外に飛び出しやすくなります。
3. 姿勢の悪さ
猫背や反り腰など不良姿勢が、椎間板に片寄った負荷をかけることで発症リスクが高まります。
腰椎椎間板ヘルニアの治療法:保存療法が基本!手術は最終手段
1. 保存療法(90%以上が対象)
- 薬物療法:NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)や神経障害性疼痛薬など
- 理学療法(リハビリ):姿勢改善、筋力強化、ストレッチなど
- 神経ブロック注射:痛みの強い時に一時的な鎮痛を目的として
2. 手術療法(重度・保存療法で改善しない場合)
- 内視鏡下椎間板摘出術(MED)
- 顕微鏡下ヘルニア摘出術(MD)
自宅でできる腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ:理学療法士が勧める3つの運動
腰椎椎間板ヘルニアの回復には、正しい運動療法が重要です。
以下は、安全かつ効果的な自宅リハビリメニューです。
種目名 | 方法 | ポイント |
---|---|---|
マッケンジー体操(伸展運動) | うつ伏せから上体をゆっくり起こす | 痛みが脚から腰に戻る「セントラリゼーション」が目安 |
ドローイン | 仰向けで膝を立て、力まない程度に行う | 腹横筋・多裂筋の活性化に有効 |
ハムストリングスストレッチ | 仰向けで片脚を持ち上げてストレッチ(膝は曲げておく) | 骨盤と腰部の安定化をサポート |
※痛みが強くなる場合は中止してください。医師や理学療法士に相談の上、行いましょう。
腰椎椎間板ヘルニアの再発予防のために:生活習慣と姿勢を見直そう
腰椎椎間板ヘルニアは再発しやすい疾患です。
日常生活の中で、以下の点に気を付けることが再発防止に役立ちます。
- 長時間の座位を避け、30分に一度は立ち上がる
- 座る時は骨盤を立て、背筋を伸ばす
- 重い物を持つ時は膝を曲げて腰を守る
- 筋力維持のための継続的な運動
まとめ:腰椎椎間板ヘルニアの原因・治療法・リハビリについて
腰椎椎間板ヘルニアは、多くの場合、保存療法と適切なリハビリによって改善可能です。
まずは正しい姿勢を意識し、日常的にできる運動から始めてみましょう。
再発防止のためにも、体幹の安定性を保つ筋力トレーニングと生活習慣の見直しが鍵です。
腰痛にお悩みの方は、医療機関での診断と、理学療法士による専門的な評価を受けることをオススメします。
◎症状が軽い方、腰痛やヘルニアを予防したい方にオススメの記事👇