理学療法士トレーナーのタツです。
「歩くたびに股関節が痛む」、「階段の上り下りがつらい」
そんな悩みを抱えていませんか?
変形性股関節症は放っておくと悪化し、最終的に手術が必要になることもあります。
しかし、早期に正しいリハビリを行うことで、痛みの軽減や進行予防が十分に可能です。
本記事では、変形性股関節症の痛みの原因を理学療法士の視点から解説し、自宅で安全にできるリハビリメニューをご紹介します。
通院が難しい方や、手術を避けたい方にも役立つ内容です。
変形性股関節症とは?
変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)は、股関節の軟骨がすり減ることで関節に炎症や変形が起こり、痛みや運動制限を引き起こす疾患です。
◎膝が痛い方はこちら👇
変形性股関節症の主な原因
- 先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全(特に日本人女性に多い)
- 加齢による軟骨の摩耗
- 肥満や長年の負担による関節ストレス
- 筋力低下や姿勢不良によるアライメントの崩れ
変形性股関節症の症状の進行段階
ステージ | 特徴 |
---|---|
初期 | 動き始めに痛む・違和感 |
中期 | 歩行や階段での痛み・可動域の低下 |
末期 | 安静時も痛い・足を引きずるようになる・股関節が動かない |
変形性股関節症の痛みのメカニズム:なぜ股関節が痛むのか?
股関節の痛みの原因は軟骨のすり減りだけではありません。
筋肉の硬さ、骨盤の傾き、筋力のアンバランスなども大きな要因です。
関連する3つの要因
1. 中殿筋や腸腰筋の筋力低下
これらの筋肉が弱くなると、股関節の安定性が低下し、動くたびに関節に過剰な負担がかかります。
2. 関節包や筋肉の硬化
関節周囲の筋肉(大腿筋膜張筋・梨状筋など)が硬くなると、股関節の動きが制限され、痛みや炎症を引き起こします。
3. 骨盤や姿勢のゆがみ
骨盤の前傾・後傾やO脚傾向などのアライメント異常も、股関節への荷重を不均一にし、痛みを助長します。
自宅でできるリハビリメニュー:理学療法士がすすめる4つの運動
変形性股関節症の進行を防ぐには、関節に過度な負担をかけずに、筋肉の強化・柔軟性向上・姿勢改善を行うことが重要です。
注意点
- 痛みが強い場合は無理せず中止
- 呼吸を止めずにゆっくりと行う
- 毎日10分〜15分を目安に継続
1. 中殿筋強化(横向きヒップアブダクション)
目的:股関節の安定性を高める
- 横向きに寝て、下側の脚の膝を軽く曲げる
- 上側の脚を、膝を伸ばしたままゆっくり持ち上げる(つま先は少し下に向ける)
- ゆっくり下ろす(20回 × 3セット)
ポイント:骨盤が後ろに倒れないよう注意する
2. 腸腰筋ストレッチ(片脚ランジ)
目的:骨盤の前傾と股関節の可動域改善
- 片膝立ちの姿勢をとる(脚は前後に)
- 上体をまっすぐ保ったまま、前脚に体重を乗せる
- 後ろ側の脚の股関節の前側が伸びているのを感じたら30秒キープ(左右3セット)
ポイント:腰を反らせず骨盤を立てる意識を持つ
3. 橋のポーズ(ヒップリフト)
目的:大殿筋と体幹の強化
- 仰向けで膝を立て、両足は肩幅に開く
- お尻を締めながらお腹にも力を入れ、骨盤を持ち上げる
- 3秒キープ → ゆっくり下ろす(15回 × 3セット)
ポイント:腰を反りすぎず、体幹を安定させること
4. 骨盤体操(骨盤前後傾運動)
目的:骨盤の柔軟性と正しい姿勢の再教育
- 椅子に座り、背筋(せすじ)を伸ばす
- 骨盤を前に倒して反る → 後ろに倒して丸める
- ゆっくり繰り返す(10〜15回)
ポイント:股関節への圧迫感がない範囲で行う
その他の日常生活のポイント
- 体重コントロール:体重1kg増加で股関節に約3kgの負担増
- 足を組まない・正しい姿勢を保つ
- 階段の昇降・長時間歩行を控える
- サポーターや杖の活用も選択肢に
まとめ:変形性股関節症のリハビリと自主トレメニュー
- 変形性股関節症は、軟骨のすり減り+筋力や姿勢の問題が複合的に関与する疾患
- 痛みを改善するには、中殿筋や腸腰筋の強化、柔軟性向上、骨盤の調整が重要
- 自宅で安全にできるリハビリを継続することで、痛みの軽減と進行予防が可能
股関節の痛みは生活の質に大きく関わる問題ですが、正しい知識と運動習慣があれば改善できます。
ぜひ、今日から少しずつ取り組んでみましょう。
◎日常生活のポイントでも述べましたが、体重は股関節への負担を減らすためには非常に重要な要素です。
痩せている方は体重よりも筋肉をつける方が重要ですが、体重が重い方は今よりも10%ほど減量してみましょう。
ただ、筋肉を落としては意味がありませんので、正しく減量する必要があります。
正しいダイエット方法で健康的に減量しましょう👇