筋トレやダイエットの場面でよく耳にする「タンパク質」。
実はタンパク質は、筋肉だけでなく、臓器・酵素・ホルモン・免疫機能の材料として、あらゆる健康維持に欠かせない栄養素です。
本記事では、理学療法士の視点から「タンパク質の基本的な働き」、「健康への影響」、「オススメの高タンパク食材」について、科学的根拠に基づき詳しく解説します。
タンパク質とは?【定義と基本機能】
タンパク質(Protein)は、20種類のアミノ酸が多数連結して構成される栄養素で、人体の約15〜20%を占めています。
タンパク質の主な働き
機能 | 内容 |
---|---|
筋肉・臓器の構成 | 骨格筋、内臓、皮膚、髪の主成分 |
酵素・ホルモンの材料 | 消化酵素、インスリンなどの合成 |
免疫機能 | 抗体(免疫グロブリン)や白血球の材料 |
酸素運搬 | ヘモグロビンを構成し、酸素を全身に運ぶ |
特に成長期・運動後・病後の回復期には需要が増すため、適切な量を確保することが重要です。
タンパク質の健康への影響|不足・過剰のリスク
タンパク質が不足すると?
- 筋力低下・サルコペニア(特に高齢者)
- 免疫力の低下(風邪をひきやすくなる)
- むくみ(アルブミン不足による浸透圧低下)
- 髪や爪が弱くなる
→ 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、成人男性の推奨摂取量は60g/日、女性は50g/日とされています。(これは最低限の推奨摂取量です)
タンパク質の過剰摂取は?
- 通常の腎機能であれば問題なし
- ただし、腎疾患がある人は過剰摂取に注意
- 極端な高タンパク・低炭水化物食は、疲労感や便秘の原因にも
理学療法士から見たタンパク質の重要性
リハビリや身体機能改善において、タンパク質の摂取は極めて重要です。
- 運動と組み合わせることで筋肉の合成が促進(特に運動後30〜60分以内の摂取が推奨)
- 高齢者の転倒予防やフレイル改善にも不可欠
- 骨折や術後の創傷治癒や炎症回復にも関与
タンパク質は「運動だけでは筋肉は増えない」ことの科学的な裏付けとなる栄養素です。
オススメの高タンパク食材一覧【動物性と植物性】
動物性タンパク質
食材 | タンパク質量(100gあたり) | 特徴 |
---|---|---|
鶏むね肉(皮なし) | 約22g | 低脂質・高タンパク |
卵(1個50g) | 約6g | 良質なアミノ酸バランス |
鮭 | 約22g | オメガ3脂肪酸も豊富 |
ヨーグルト(無糖) | 約4g/100g | 腸内環境も改善 |
牛赤身肉 | 約20g | 鉄・ビタミンB群も豊富 |
植物性タンパク質
食材 | タンパク質量(100gあたり) | 特徴 |
---|---|---|
木綿豆腐 | 約7g | カルシウム・イソフラボンも含む |
納豆 | 約16g | 発酵食品としても優秀 |
レンズ豆(ゆで) | 約9g | 食物繊維も豊富 |
玄米 | 約2.5g | ミネラルも含む主食 |
オートミール | 約13g | 朝食に最適 |
植物性タンパク質は単独ではアミノ酸バランスが偏りやすいため、複数の食材を組み合わせることが重要です(例:豆+穀物など)。
タンパク質の効果的な摂取タイミングとコツ
- 1日3回に分けて摂取(20〜30g/回)すると筋合成が最大化される(Mamerow MM, 2014)
- 運動後は30分以内にタンパク質+炭水化物の摂取が効果的(ゴールデンタイム)
- タンパク質不足が懸念されるときはプロテイン補助も有効
よくある質問(Q&A)
Q:タンパク質を摂ると太りますか?
A:過剰に摂らなければ太りません。
むしろ高タンパク食は満腹感を高め、脂肪の蓄積を抑える効果もあります。
Q:プロテインは飲んだ方がいい?
A:食事で足りない分を補う目的で有効です。
特に運動後や忙しい朝には、効率的に摂取できます。
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まとめ:タンパク質の重要性
- タンパク質は筋肉だけでなく、身体のあらゆる組織や機能の基礎となる栄養素
- 不足は筋力低下・免疫力低下・回復遅延の原因になる
- 動物性・植物性どちらもバランスよく取り入れ、1日60g前後を目安に摂取
- 特に高齢者や運動習慣のある方、リハビリ中の方は積極的な摂取が重要
食事は「治療」と「予防」の第一歩です。
正しくタンパク質を摂って、健康な身体づくりとパフォーマンス向上を目指しましょう!
こちらにも詳しく書いてありますので是非読んでみて下さい👇