理学療法士トレーナーのshibatatsuです。
ダイエットや糖質制限の味方として広く利用されている人工甘味料。
しかし、2023年に世界保健機関(WHO)が発表した新たなガイドラインでは、人工甘味料の使用に対する懸念が示されました。
特に、アスパルテームが「ヒトに対して発がん性の可能性がある」と分類されたことは、多くの人々に衝撃を与えました。
本記事では、人工甘味料の健康への影響やWHOの見解、そして理学療法士としての視点から、健康的な生活を送るためのアドバイスを詳しく解説します。
人工甘味料とは?その種類と特徴
人工甘味料は、砂糖の代替として使用される低カロリーまたは無カロリーの甘味料です。
主な種類には以下のものがあります。
甘味料名 | 特徴 |
---|---|
アスパルテーム | 砂糖の約200倍の甘さ。加熱に弱い。 |
スクラロース | 砂糖の約600倍の甘さ。加熱に強く、料理にも使用可能。 |
サッカリン | 砂糖の約300倍の甘さ。苦味があるため、他の甘味料と併用されることが多い。 |
アセスルファムK | 砂糖の約200倍の甘さ。加熱に強く、飲料や菓子に使用される。 |
WHOの最新ガイドライン:人工甘味料の使用に対する勧告
2023年5月、WHOは人工甘味料(非糖質甘味料:NSS)に関する新たなガイドラインを発表しました。
このガイドラインでは、体重管理や非感染性疾患(NCDs)のリスク低減を目的とした人工甘味料の使用を推奨しないとしています👇
GOV.UK+4World Health Organization (WHO)+4Health+4
主なポイント
- 人工甘味料の長期使用は、体重減少やNCDsのリスク低減に効果がない。
- 一部の研究では、人工甘味料の摂取が2型糖尿病や心血管疾患、死亡リスクの増加と関連している。
- 人工甘味料の使用は、健康的な食習慣の形成を妨げる可能性がある。
これらの勧告は、成人および小児を対象としており、糖尿病患者には適用されません。
アスパルテームの発がん性評価
2023年7月、WHOの国際がん研究機関(IARC)は、アスパルテームを「ヒトに対して発がん性の可能性がある(グループ2B)」と分類しました。
この分類は、ヒトにおける限定的な証拠に基づいています👇
World Health Organization (WHO)
安全性に関する見解
一方で、WHOと国連食糧農業機関(FAO)の合同食品添加物専門家委員会(JECFA)は、アスパルテームの一日許容摂取量(ADI)を体重1kgあたり40mgと再確認し、通常の摂取量であれば安全であるとしています。
人工甘味料の健康への影響:最新の研究結果
近年の研究では、人工甘味料の摂取と以下の健康リスクとの関連が示唆されています。
- 2型糖尿病のリスク増加:人工甘味料を含む飲料の摂取が、2型糖尿病の発症リスクを高める可能性がある。
- 心血管疾患のリスク増加:長期的な人工甘味料の使用が、心血管疾患や早期死亡のリスクと関連している。
- 腸内環境への影響:人工甘味料が腸内細菌叢に影響を与え、代謝異常を引き起こす可能性がある。
これらの研究結果は観察研究に基づいており、因果関係を確定するものではありませんが、注意が必要です。
理学療法士としての視点:人工甘味料との付き合い方
理学療法士として、健康を総合的にサポートする立場から、人工甘味料の使用について以下の点を提案します。
1. 自然な甘味への切り替え
人工甘味料の代わりに、果物や天然の甘味料(例:蜂蜜、メープルシロップ)を適量使用することで、自然な甘味を楽しむことができます。
2. 食習慣の見直し
甘味への依存を減らすために、食事全体のバランスを見直し、野菜や全粒穀物、良質なタンパク質を中心とした食生活を心がけましょう。
3. 適度な運動の継続
定期的な運動は、体重管理や代謝の改善に効果的です。
理学療法士やトレーナーの指導のもと、自分に合った運動プログラムを継続することで、人工甘味料に頼らない健全なライフスタイルが実現できます。
特にウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングなど、継続可能な運動を取り入れることが重要です。
また、運動は食欲のコントロールにも有効であり、甘味に対する欲求を抑える一助になります。
つまり、運動は身体だけでなく、食習慣の改善にも好影響を与えるのです。
まとめ:賢く人工甘味料と付き合う
人工甘味料は低カロリーで血糖値に影響を与えにくいため、健康志向の人々に広く使われてきました。
しかし、WHOの最新のガイドラインや研究結果は、その使用について再考を促すものでした。
- 人工甘味料には種類があり、それぞれ異なる性質と用途がある
- WHOは長期的な健康効果について懸念を表明している
- アスパルテームは「発がん性の可能性あり」と分類された
- 腸内環境や代謝への影響など、新たな健康リスクが示唆されている
- 理学療法士としては「自然な甘味への切り替え」「食習慣の見直し」「運動の継続」が鍵と考える
人工甘味料を完全に避ける必要はありませんが、「量」と「頻度」を意識し、より自然な食習慣を意識することが、真の健康への近道です。
健康は日々の選択の積み重ねです。
身体に優しい選択をし、無理のない範囲で、賢く人工甘味料と付き合っていきましょう。
また、最近では植物由来の甘味料(ステビア、エリスリトールなど)もあるため、他の人工甘味料よりは植物由来の甘味料を選択する方がいいかもしれません。
【人工甘味料のリスクと代替案】
リスク | 代替案(推奨される選択) |
---|---|
腸内環境の悪化 | 発酵食品(ヨーグルト、味噌、ぬか漬け) |
血糖調節機能の乱れ | 全粒穀物、低GI食品 |
甘味依存の助長 | フルーツ、ナッツ、シナモンなどの自然食材 |
発がんリスクへの不安(例:アスパルテーム) | 甘味料を使用しないレシピ開発や量の調整 |
ちなみに、僕は健康のために毎日プロテインを飲んでいますが、プロテインにも人工甘味料が入っているものが多くあります。
人工甘味料が入っていないものや植物由来の甘味料のみ使用されているものなどがありますので、気になる方は是非読んでみて下さい👇